詩人:麦
ある夏の日
ちっちゃな縁台に座って 西瓜を食べていた
ふと 何の変哲もない石ころが 目にとまる
いつから そこに あるのだろ
どこから やって来たのだろ
どうして そんな形になったのだろう
その石の周りには いつからか 色んな石たちがいて
その石たちが どんどんと 目の奥に飛び込んできて
色んな色んな色が どんどんと どんどんと 大きく大きく広がっていって
みなみの空のまんなかには 白い入道雲が
どかっと あぐらをかいて 座っていた
その夏の日の 西瓜は とても とても美味しかった。