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詩人:浮浪霊
お前が好きだよという朱絳(ジュ・ヅィァン)を、あたしは嘘だと怒鳴りつけた。
お前の気持ちに応えてやってもいいよという彼女の言葉を、あたしはそれは気の迷いだと撥ねつけた。
【倭秦合睦 〜にっちゅうゆうこう〜】
どなるあたしを、彼女は困ったような、驚いたような…
ひどく戸惑った表情で見つめた。
彼女は繰り返す。
「嘘じゃない」
「いーや、嘘だね、信じない。君(ジュン)は嘘を吐いているんだ。
もし仮に本当だとして、君の、僕(プウ)への愛は」
あたしは朱絳の肩を両手で掴み唇を奪った。
彼女は体を大きくふるわせ、あたしを振りほどこうとした。
「気の迷いだ。瞞しだ!」
私は体格的優位を利用し、彼女に蔽いかぶさり押し倒した。
朱絳は力強く抵抗したが、腕を振り回すなど暴れたりはしなかった。
私を傷つけまいとしているらしかった。
触れ合わんばかりに顔を寄せ、彼女の耳元に唇を寄せ。
私は囁く。