詩人:さみだれ
真っ平らな世界に生まれたかったね
静かな海に溺れたかったね
孤独は嫌だと言いたかったね
半月の兎は餅をついてはいなくって
ただうなだれているだけなんだよ
なら僕は!
そう思う気持ちばかりが寂しくて
死にそうだ と
あなたは希望ばかり歌って
僕はそれが妬ましいと嘆く
あなたは愛されて!
僕は愛されていないと
しくしくと雨が降るそばで
楽しそうに笑って
ターンを決めるなら
僕は傘の中にあなたを入れて
帰ろうって誘うけれど
僕にはもう希望なんて!
そう言えば
あなたは楽しい詩を書いてくれるだろうか
ただこの孤独だけが
空梅雨の夜に乗っかって
僕みたいな人を拐っていく
約束だよ♪
楽しそうに話すあなたに
僕は声をつまらせて
”悲しみは有限でなければならない!”
あなたを愛する気持ちが
化石となって
何万年…何億年…
ぼろぼろになっても
あり続けることを誓う
僕はシロウサギだ!
この夜にうまい餅をご馳走する
そして五月雨だ
永遠の憂鬱を流してやる
そしてあなたへ
おやすみなさい