詩人:甘味亭 真朱麻呂
怖い夢を見た後で
目覚めた私の耳に届く雨音
さっきから降っている
それとも気づかずに夢の中
一日中さまよっていたみたいだ
額の汗を拭ってカーテンをすーっと開け放す
月が浮かんでる
夜空の闇にポツンと輝きを放って浮かんでる
机の上の落書きだらけの日記帳
開いてもみたけど
役に立つことは何もか書かれてはいない
ただくだらない落書きと夜空に浮かぶ三日月だけ
雨と夢の後には
ただ目覚めの悪い
現実がそこにあるだけ
夢の中では上手くいっていた事も現実では上手くいかない事ばかり
気づくといつも苦しそうな顔で
都会のくすんだ空を見上げるようにして日々を唄うだけ
雨に濡れ
なおも美しい
月は輝きを保ったまま
私をいつも可哀想な目でみるだけ。