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[190256] 夏の魔物

詩人:どるとる


積み重ねた嘘は脆くも崩れ去り
緑のなかを 潜り抜けてたどり着く

秘密基地で日が暮れるまで遊んだ
シャツに隠れた肌だけが白く浮いて
カッコ悪いと笑った君に僕も笑った

それはほんの少しの出会い

青ざめた空から降り注ぐ熱光線

昨日見た夢の続きと風鈴のささやき

花火が咲いた夜空の向こう

夏の魔物は ぱっと笑った

ただそれだけで僕の笑顔をさらってく

鼻緒を結んでまた 歩き出す

彼方に見える秋は 遠い夕暮れの赤に染まり

着物の裾を 風がからかう。

2015/12/17 (Thu)
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