詩人:どるとる
積み重ねた嘘は脆くも崩れ去り緑のなかを 潜り抜けてたどり着く秘密基地で日が暮れるまで遊んだシャツに隠れた肌だけが白く浮いてカッコ悪いと笑った君に僕も笑ったそれはほんの少しの出会い青ざめた空から降り注ぐ熱光線昨日見た夢の続きと風鈴のささやき花火が咲いた夜空の向こう夏の魔物は ぱっと笑ったただそれだけで僕の笑顔をさらってく鼻緒を結んでまた 歩き出す彼方に見える秋は 遠い夕暮れの赤に染まり着物の裾を 風がからかう。