詩人:どるとる
途方もない 旅の行く末は 空の彼方に
夢と希望を道連れにして このまま
終わらない ロマンスのありかを教えてよ
変われない自分は どうしても好きになれなくて
何色にも染まれない それでも明日は僕を急かす
止まらない 時間の列車に乗って
揺られながら 旅をしているような毎日
電車の窓からはいくつもの思い出が
飛ばし読みするみたいに過ぎていく
笑った昨日と 泣いた今日 明日は風の中
恐る恐る開けたドアの向こうにも広がる世界
地下鉄の 暗闇にまとわりつくひんやりした空気
どうにも慣れないこの寂しさに辟易
いつか読んだ本の続きが不意に気になる
手当たり次第に 読み漁った 小説にあるような
行ったこともない場所や 夢のような世界に行きたいと願った
きらめくような理想ばかりに押しつぶされ
絶望の一歩手前 断崖から見下ろす眺め
車窓に映る 花の美しさに目を奪われてると
いつの間にか 今を蔑ろにしていたよ
過去よりも未来よりも愛すべき現在
変われなくても笑っていた僕はもうどこを探してもいない
夜空の星のひとつを指差し あれがすべてだと 言いきれない
僕らには 正しさのあるべき姿を 言葉にするだけの偉大さはない
止まらない 時間の列車に乗って
揺られながら 旅をしているような毎日
電車の窓からはいくつもの思い出が
飛ばし読みするみたいに過ぎていく
笑った昨日と 泣いた今日 明日は風の中
恐る恐る開けたドアの向こうにも広がる世界。