詩人:どるとる
通り過ぎてく景色を眺めながら
窓から 消えてく思い出を 見送る
言葉もなく僕は ただ君の瞳を見ていた
その悲しみひとつも癒すすべもなく
大袈裟な メッセージとか
驚くくらいの 愛とか
そんな特別な ものはあげられないけど
ただそばにいる そんなありふれた時間の中で
君にゆっくり伝えていきたいよ
僕がどんなに君を愛しているのかを
たまには 急ぐその足を止めて
流れる風の音を 聞いてみよう
川のせせらぎ 季節の移り変わりに
色を変える花 空の表情や雲の形
窓の向こうに広がる他愛もない人々の暮らし
そんなものに 心を奪われていたい
歩いていこう このまま明日にまっすぐ伸びた道を
休む暇もなく 時間は僕を急かして
先へ先へと 背中を押すようにせがむ
急ぐ人の群れを 僕は 抜け出して
考えてみたよ 生きることの意味とかを
途方もない 夢やロマンよりも
すぐそばにある 当たり前な気持ちに 目を向けていたい
心が 空を見上げるなら 心は空と同じ色に染まる
心が 君を見つめるときは 心は君の心と同じ形になる
時間から はみ出した場所で生きよう
時計は 置き去りにして旅に出よう
目を閉じて やっと見える大切なこと
たとえば君が流す涙の向こうの景色
耳をすまさないと聞こえない 命の小さなさざ波
そんなものに いつでも寄り添っていたい
生きていこう 広く青い空に抱かれながら
何に悩み何に迷い 風の中に 立ち尽くすのか
答え合わせなど 意味はない 答えのない毎日だ
たまには 急ぐその足を止めて
流れる風の音を 聞いてみよう
川のせせらぎ 季節の移り変わりに
色を変える花 空の表情や雲の形
窓の向こうに広がる他愛もない人々の暮らし
そんなものに 心を奪われていたい
歩いていこう このまま明日にまっすぐ伸びた道を。