詩人:どるとる
色とりどりの 夢が風に踊る季節は
窓の向こうの 緑たちが笑ってる
花も 空も ポケットの中の未来も
引き出しの中の思い出も
どっちつかずの心も 曖昧であやふやな覚悟も
ぼんやりとしたままの輪郭も
揃わない歩幅も 口笛の矛先に消える
春うらら おいで 隠れん坊はもう終わり
大きなくしゃみひとつ
つぼみが花開いたよ
星をつなぐように離れ離れの光を
指先で 囲えばほらね形になる
回りながら揺れる 風見鶏も
なくした 帽子の行方も
西日差す部屋の微睡みも 頼りない影も
まだ青い林檎の心も
優しい痛みも 棘のように 突き刺さる
春うらら 暖かい風よ冬を吹き飛ばし
夢の終わりに 目覚めた僕を迎えてくれる
はぐれ猿の 旅は続く
宛もなく さまよう季節を行き交いながら
花も 空も ポケットの中の未来も
引き出しの中の思い出も
どっちつかずの心も 曖昧であやふやな覚悟も
ぼんやりとしたままの輪郭も
揃わない歩幅も 口笛の矛先に消える
春うらら おいで 隠れん坊はもう終わり
大きなくしゃみひとつ
つぼみが花開いたよ。