詩人:快感じゃがー
俯けば 強風も
いつになく 凍み渡り
空が鳴き ただ喚き
色もなく 孤独の深淵
誰かには きっと
届かなかったんだ
想いは ひとりでに
息絶えて
はらり 砕け落ちて
言葉では 伝えきれぬ
そんな気持ち も
あるのだと 知った
あの日の 私が そうだった
穿うようにして
覗いた 悪夢の手前
ほんの少し 嘆いて
また 窘めたなら
宵の中で 本当は
何よりも 誰よりも
傍に 居たかったの
愛される前に
堕ちた 最果て
言い訳を飾り
私は そっと
微笑むんだろう
乗り越える術を
知らぬが 故の
とても とても愚かな夢
そして 刺は抜けずに
腐って溶けた
忘れないわ 潮騒
二人 確かに歩いた
永遠に近い夜