詩人:どるとる
正しさというあやふやな定規で計るには
この世界の縮尺はあまりにも曖昧だ
軌道を外れた 想像が行き着く先を 知らない僕たちは
迷子よろしくさまよって 行き交う柱時計の振り子
ありもしない常識という模範解答に 惑わされながら
迷わされながら やがて僕たちは気づくんだ
正しさなんてものは計算したりするものじゃないと
そしていつしか 心を満たしていくのは
間違いだらけでも輝くような 生き方
まやかしなんだよ そもそも常識という概念が
絵に描いたような理想ばかりに 急かされて
足並みそろえて生きることがさも正しいように間違えられた世界には
個人の意思なんて 規律を乱すだけの障害物
赤子が手にしたばかりの命には 目盛なんかなくて
ただ 笑ったり泣いたりするだけで 生きていた
でもいつからか 僕たちは計算することを覚えてしまった
余計なくらいに賢くなった そのぶんだけたくさんの大切なものが見えなくなった
見渡す世界に色とりどりの光がこぼれて
僕は僕という色になり
君は君という色になる
でも 多分もう 昨日の僕には染まれない
今日は今日の僕だ
今日は今日の君だ
色褪せていくのがどうやら世界のルールだ
ありもしない常識という模範解答に 惑わされながら
迷わされながら やがて僕たちは気づくんだ
正しさなんてものは計算したりするものじゃないと
そしていつしか 心を満たしていくのは
間違いだらけでも輝くような 生き方。