詩人:どるとる
五月雨に濡れながら 僕たちは宛もなく探してた
ふいの思い出し笑いの理由だったり
明日の天気を予想しあったり
そんなくだらないことに夢中になってた
あの頃の僕たちには 恐いものなど なくて
小さな勇気と少しの好奇心があれば いくらでも笑い転げた
夏が来たから 夏なんじゃなくて 夏に会いたいから 夏なんだ
理由なんて きっとどうだっていい
ただひたすらに 遊ぶことに夢中さ
広がった青い空はまるで大きなプール
飛び込んでみよう お気の済むまで
天気予報は ここ最近めずらしく外れてばかり
ふとした 妙案を思いついたり
ある日突然旅に出てみたり
僕らは不自由な世界で自由に生きてた
ビー玉を太陽にかざして のぞき込んだ
レンズの向こうに広がっていた世界は
何も不思議なことなどなかったけど
青と緑の世界の真ん中で 僕らは奏でた 風鈴を鳴らす音
小さな 勇気をふるいたたせて 飛び乗った電車の行き先を僕は
知らなかったけど なぜだか 不安はなかった 君がいたから
中央線の窓の外を気持ち良さそうに泳ぐ入道雲が見えた
長い長い夏休みの一頁が 少しずつ遠ざかるのを見てた
あの頃の僕は 万華鏡の中にいたんだね
きれいなものに 目をうばわれていた
夏が来たから 夏なんじゃなくて 夏に会いたいから 夏なんだ
理由なんて きっとどうだっていい
ただひたすらに 遊ぶことに夢中さ
広がった青い空はまるで大きなプール
飛び込んでみよう お気の済むまで。