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[190364] 旅立ちのうた

詩人:どるとる


思えばはじまりはいつも夜明けだった

君は笑いながら「じゃあね」と言った

始発電車に飛び乗って誰も知らない未来へ

旅人気取ってみたはいいものの

どうすればいいかわからずに僕らは途方に暮れた

どっちつかずの思いに暫く頷けず

弓を射るように 空の彼方から

サーチライトが 街の闇をつらぬいて

まばたきしてる間にすべての奇跡は片付いた

いうなればそれはささやかなほんの少しだけの僕だけに使える魔法

頼りないこの歌を道連れにして

誰かのせいにした昨日の僕は忘れてよ

日々生まれ変わっていくよ 僕はもう僕じゃない

雨をよけ進む電車のスピードで

雨粒を飛ばしていく 僕はもう振り返らない 二言はない

堆積する不安の数だけ高まるビート

旅立ちのうた 明日の僕に残す置き手紙

誇りのように 恥のように 刻む足跡

寝ぼけ眼の猫が大きなあくびをする

すぐそばにあるありふれた 幸せに ちょっとだけ感謝する

アイラブユーだけで 構築された
しかたのないラブソングより

どうしようもないほど情けない
そんな 歌に 聞き惚れたい
たとえば こんな晴れた日の朝に
出会う 真っ白い気持ちのように

どっちつかずの思いに暫く頷けず

弓を射るように 空の彼方から

サーチライトが 街の闇をつらぬいて

まばたきしてる間にすべての奇跡は片付いた

いうなればそれはささやかなほんの少しだけの僕だけに使える魔法。

2015/12/25 (Fri)
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