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[180578] 倭秦合睦 〜Japan-China Amity〜 (二)

詩人:浮浪霊

それが違うというのなら、君が僕に抱く愛が
嘘ではないというのなら。
姉様(ズィーヤン)、

僕(プウ)は君(ジュン)の特別になれますか

君は僕を愛してくれますか

僕を、僕だけを愛してくれますか。

どうか誓ってください 僕以外を見ないと

僕が君の唯一無二になれないなら、僕は君なんていらない


朱絳(ジュ・ヅィァン)は抵抗を止め、ただじっとあたしを見つめた。
あたしには、彼女の見せる悲しそうな表情が理解できなかった。
唐突に胸が詰まりそうになる。
あたしは当惑し朱絳を睨みつけ、ドスを利かせた嗄れ声で命令した。

「はい、と言え」

姉様は酷く長いこと、黙ってあたしを見ていたが、遂に口を開き語り始める。

牧大岡りつ、愚かしく邪悪な、私のかわいい人。
おまえは私の【唯一】になど成れはしない
他の誰も、私の【ただ一人の特別な人】になど成れはしない
この世界は、私とおまえの二人だけで成り立っているわけではないのだから。

お前は、別に掛け替えなくなんてないかもしれない。
かわりだっているかもしれない。
それでも、私は私が与えられる限りの、ありったけの愛をお前に与えたい。

それで満足できず、お前が唯一でなきゃ駄目なのだと言い張って私の愛を拒絶するというのなら。

(姉様は、私の背後に目をやった。彼女が、神棚に祀られた聖書を見ているのを、私は直観した)

お前のことなど知るものか。
神か、それか犬にでも愛してもらえばいいだろう。


耐えがたい拒絶の言葉を紡ぎ終え、姉様は最後に、静かに締めた。

「どけ」

姉様を拘束するあたしの腕は、熱を帯び震え始めた。
一瞬にして白熱したように、言い知れぬ激痛が走り、
あたしは悲鳴を上げ、飛びのいた。

「姉様、なんでなの」
あたしは嗚咽を漏らし、上半身を起こした姉様を謗る。
「簡単なことなのに。ただ【誓う】と言うだけなのに。嘘でもいいのに!」
跪いたあたしを、姉様は抱きしめた。あたしは彼女にしがみつき咽び泣き慟哭する。

「どうして、言葉にしてくれないの」

 

2013/01/29 (Tue)
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