詩人:さきネコ
なんで僕は 自由じゃないんだろう?
ゆでられて 塩をふられるなんて
まっぴらごめんだ
だから 僕は逃げることに決めた
僕に 翼が生えていれば
宙を舞いながら 遠くへいけただろう
けれど 僕は飛べやしない
だから さやから出る瞬間を狙った
ポンッ
反動をつけて飛び出すと
思い切り 宙に浮かんだ
けれど 僕は1メートルと行く前に
床に 落ちてしまいそうだ
床がぐんぐん 近づいてくる
僕は一か八かで 床をけってみた
すると 僕はまた宙に戻った
けれど 今度は落ちそうに無い
おかしいな? 僕は飛べないはずなのに
そうか! それは僕の思い込みだったんだね
僕は本当は 飛べるんだ
そう思うと すごく嬉しかった
でも でも寂しいな
仲間はみんな お皿の中
僕は せっかく飛べる力を得たのに
遠くまで 逃げようとはしなかった
フゥワリフワリ
僕はノロノロと でも確実に
お皿の中へと 戻っていった
やっぱり たくさんの仲間がいて
ここはとても 落ち着くな
型にはめられた 人生だって
幸せなら それでいいや
みんなと一緒に いられるから
僕には ここが 一番似合ってる