詩人:どるとる
窓に映る景色を ぼんやりと 眺めながら
今か今かと 待ちきれない気持ちのままで
ひとつずつ追い越していく 駅を数えた
下手くそな 歌声と調子外れのメロディ
それでも 君に会いに行く
日曜日の 込み合った駅のホームに咲く
たくさんの人の群れを かいくぐる
聞きなれた名前で呼び止めたのは
なつかしい 声と顔の ガールフレンド
少しも変わらないねって笑うから
思わず抱きしめてしまった
どっちつかずの 僕はまだ あやふやな
覚悟で愛を不器用にしか扱えないけど
それでも 君に会いに来た
近づく季節は何色をしているだろう
観たかった映画を観よう お芝居も観よう
忙しくて出来なかったことを全部やろう
今はまだ 愛してるって言えればいい関係
いつまでもそれじゃ駄目だとわかってる
どんな会話をしたのかいまいち覚えてない
僕は手を握るだけで精一杯だったよ
お別れするとき また会おうって言った
閉じるドアとほぼ同時に泣いた君
手紙を送るよって 握らせた大切な言葉
目には見えないラブレター
不安ばかりが明日を遠ざけるけど
いつかは一緒にいる毎日が当たり前になって
今をなつかしく思い出せるさ
遠く離れた距離を 一瞬で 埋める
魔法のような 言葉を探してた
残した傷跡も 消えることのない痛みも
広すぎる空に 笑われて 手だてのなくなった僕は
ただ 煙草を ふかすしかなかった
聞きなれた名前で呼び止めたのは
なつかしい 声と顔の ガールフレンド
少しも変わらないねって笑うから
思わず抱きしめてしまった
どっちつかずの 僕はまだ あやふやな
覚悟で愛を不器用にしか扱えないけど
それでも 君に会いに来た
そしてまた 僕は君に会いに行く
あの日と同じ 曜日
あの日と同じ 時刻
あの日と同じ 場所。