詩人:どるとる
どうしても届かない
思いは記憶のごみ箱へ捨てようか
それともいつまでも覚えていようかな
こんな気持ち届かないならば意味はないのにね
初恋をしたのはあの春のある晴れた1日だった
とても君は綺麗だったんだ
僕の瞳にうつる君は輝いていた
あの日こうなることを知ってたらきっと…
それでもまだ君が好きで どうしても君が好きで
そんな気持ち捨てられないのは そういうわけがあるからで
だからいつか自然に忘れてくまでこのまま僕は届かない気持ちを抱えて歩くよ
きっとおもりにはならないよ
きっと荷物にはならないよ
いつまでも君が好きな僕と
僕のことなんてあの日会ったきりで名前さえ覚えてもらってないから
何も知らない君と
春に向かってゆく季節の中で二人は
それぞれ別々の恋を探すんだろう
君はもう見つけたのかな
幸せになってほしいな
話さえできなかった
ただ眺めるばかりで
それだけで精一杯で
なんか僕には遠くて
いつまでも眺めている 君はまだ鮮やかなまま 僕の記憶の中を行ったり来たりする
そうしてまた
初恋の季節は
ここにめぐり
僕をあの日にかえし
新しい服に着替えても何ひとつ変わらない僕がいる
めぐり来る春のあたたかさに混じって僕にだけに見える切なさがほらふわりと花びらのように舞い踊る
君は何してるかな
今、幸せなのかな
今にも雪が降ってきそうな冬の窓辺からそんなことをふと思う
春はまだ遠い
まだ寒い日々は続く
それでも幾らばかりはあたたかいよ
二言くらいで終わった君との会話
それなのにそれなのに僕は喜んでいた
ばかみたいに
そうしてまた
初恋の季節は
ここにめぐり
僕をあの日にかえし
新しい服に着替えても何ひとつ変わらない僕がいる
いつまでも君が好きな僕は
もう多分君の記憶からも消えてしまったから君には知らない人かな
どれだけ君が好きでも。