詩人:どるとる
ふいの風に目を閉じてみる
浮かんだのは 通り過ぎた風景たち
笑っていたことも 泣いていたことも
今では すべてが懐かしい
手を伸ばしても つかめない場所に
思い出はあるのに いつでも胸の中にある
ふれた とたんに消えてしまう温もりは
まるで 夢を見てるようだ
夢なら覚めてと 願う
でも、この夢の続きを 僕は知りたい
ページをめくる手が止まらない
本でも読むように日々を 移ろう
行かないで そこにいて
いつか 迎えに行くよ
名前も知らない 僕を
ビルの谷間を 抜けて市街地へ
レコードは回る 誰のためでもなく
朝になって 夜になって 眠くなって
目覚めたときには日付が変わってた
風に抱きしめられた ときに僕は
吹っ切れたよ いろんなしがらみから
閉じた瞳から 涙がはみ出してしまうのは
弱いからじゃない 優しさを知ったからだ
なんて カッコつけた
夜が明けたら 行こう そのままの気持ちで
生きたいと思う気持ちを捨てられない
死にたいと思う気持ちも捨てられない
どっちつかずの 僕は
今日も空ばかり見上げてるよ
幸せなことも知らずに
立ち止まる 残像だけが いくつも
折り重なって 昨日の僕がまだそこにいる
泣いていたんだ でも今は少し 笑ってる
まあいいかって言葉が案外 助けになる
ふれた とたんに消えてしまう温もりは
まるで 夢を見てるようだ
夢なら覚めてと 願う
でも、この夢の続きを 僕は知りたい
ページをめくる手が止まらない
本でも読むように日々を 移ろう
行かないで そこにいて
いつか 迎えに行くよ
名前も知らない 僕を。