詩人:さみだれ
しゃがんで拾った
お月様の手
嫌だ、嫌だと拒んだ
その手を拾った
友達がほしいの?
いらない、つまらないもん
ひとりでヒーローごっこ?
見つからないように
こっそりと
見上げて思った
お腹が空いたね
カレー、ハンバーグ、お寿司
何が食べたかったんだろう
後ろにひっついた
お日様の背中
嫌だ、嫌だと泣いた
その背中はあったかくて
窓の隙間にはまだ
昨日の夢が詰まってる
眠らなきゃいけない
そうじゃなくて
まだ、まだ見ていたい
お月様の手
力一杯握ってる
どこにもいかないよ
それでも黙って握ってる
半べそかいて握ってる