詩人:望月 ゆき
そんなにも 君は海を求めて
僕からも
僕たちからも 遠い場所へと飛び立った
夢だけを見つめて
夢だけを探して
いつも そうやって
時折 ふいに
姿をかくす習性があったね
だから あのときも
いつものことさ、とたかをくくってたんだ
あの夏の
あの夜の
あの花火が ぱっ、と空に散ったのを
確かに 君も見ていた
まさか 君が あの花火のように
ぱっ、と散ってしまったとは
僕には とても 信じられないんだよね
笑顔が苦手な君が
僕には いつも 笑いかけてくれて
それが 僕にとっては
ちょっとした 誇りだったんだ
海の中は 楽しいかい
魚たちは 君にやさしいかい
夢を その手に
永遠に