詩人:どるとる
出来合いの 思い出を 大事そうに抱えながら
繰り返す季節を行ったり来たりする
早送りが出来たなら
巻き戻しが出来たなら
そんなことを 言っても始まらない
あんなにも好きだったボブディラン
ある日突然音楽は僕の暮らしからそっと なりをひそめた
それは 寒空から降りてくる夜
星の雨に濡れた 心が思い出すのは
いつか僕も当たり前に持ってた誰かを愛する気持ち
今も 少しだけこの胸にあるスピカ
両手でつくった望遠鏡で 未来を覗き見
名前もわからない大切な宝物をなくした
笑いたいときに笑いたい
泣きたいときに泣きたい
素直になれない 強がることしかできない
それは 弱虫な僕を隠すための張りぼて
君に簡単に見透かされてしまう
手をつなぐと伝わる温もり 今だけはこれが僕のすべて
希望を持てない僕にも見える恒星
未来は とても曖昧であやふやな輪郭だ
それでも追いかけるよ
来るか来ないかわからない
そんな 不確かなものじゃない
見える星は人それぞれで
僕にはどんな未来が見えるかな
今から楽しみだ
それは 寒空から降りてくる夜
星の雨に濡れた 心が思い出すのは
いつか僕も当たり前に持ってた誰かを愛する気持ち
今も 少しだけこの胸にあるスピカ。