詩人:甘味亭 真朱麻呂
例年にはない激しい雷雨に見まわれて
傘を忘れた僕は駅から急いで帰宅した
上着もズボンもずぶ濡れで
僕は半ば朦朧としながら
帰宅したすぐに僕は風呂に入りベッドに直行した
何時間経ったか
雷の音と雨の音に目が覚めると
こんな時間にドアをたたく奴がいる
ボーっとした頭を無理やり起こして
ドアの内側で
「どちら様ですか?」
と私が問いかけたところ
うんともすんとも返事がなく
不審に思い
チェーンキーを掛け
通常ロックを外し
その隙間から外を見たのですが誰の姿もなく仕方なしに寝ました
翌日目を覚ますと玄関口のポストに一通の手紙…
封を開け読んでみると
こう書かれていました
『私も伸也も愛想を尽かしました。サヨウナラ…』美智子
そうヒドく丁寧な別居中だった妻の筆跡で書かれていました……
昨日の雨がまるでウソのように
ヒドく晴れ渡った空の下何の言葉も出てはくれませんでした……
終。