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詩人:どるとる
もしも同情に値段があって自由に売り買いできたなら
僕は迷わず同情をまとめ買いするだろう
それがたとえ嘘でもいやいやでも同情されなくなった僕にはもはや同情されるだけでもありがたい話だからためらわずにありったけの小銭をかきだすよ
窓からさしこむ月明かりさえ申し訳程度に僕を照らす始末
吹きつける風はただ冷たくって凍えそう
この同情はおいくらですか?
沈黙を破ってたまらず吐き出された僕の声
小さくつぶやくよ
孤独にうもれた自分を探し当てて
嘘っぱちの同情で救われるならばとただ僕は夢の中でこぼしたんだよ
そんなこと願ってしまう夜には心に悲しみが降り止まない。