詩人:どるとる
冬もそろそろピークで 雪の降りそうな空を
見上げながら 君は笑った
いくつかの 約束と同じだけの嘘を
君は 抱えながら大事そうに 胸のポケットにしまった
小雪混じりの雨が窓を濡らして
やがて白くなる景色を イメージして
走る電車の スピードに揺られながら
ため息をひとつ 街まであとどれくらい?
いつか手放した懐かしい思いに出会えますように
ひたむきな恋をしていたあの頃の僕を思い出した
変わらないのは せいぜい背丈くらいで
僕だって少しは 大人になっただろう
かっこいいって 言われるのを期待してた
待ち合わせに間に合うように
時計を何度も確かめた だけどまだ
何から話そうか 決まってないんだ
そういうとこは 変わらないだろう?
不安な気持ちのままで君の街まで今から行くよ
あやふやな輪郭を何度もなぞりながら
行ったり来たりを繰り返す 思考の行き先は 宛もないまま
変わらない街並みと 変わっていく思い
君もいつまでも僕の知ってる君じゃない
季節が巡るたび 新しい色をしているように
君に伝えた日よりも少し早い旅立ちだけど 驚くかな
驚く顔が見たいな
いつか手放した懐かしい思いに出会えますように
ひたむきな恋をしていたあの頃の僕を思い出した
変わらないのは せいぜい背丈くらいで
僕だって少しは 大人になっただろう
かっこいいって 言われるのを期待してた
待ち合わせに間に合うように
時計を何度も確かめた だけどまだ
何から話そうか 決まってないんだ
そういうとこは 変わらないだろう?
そんないい加減なところも ふくめて
好きになってくれたら 僕も 今よりもっとあなたを好きになれる
そんなことをひそかに思いながら
近づく街を 窓越し眺めているよ
もうそろそろ降りる駅だよ。