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[190650] またあした

詩人:どるとる


夕暮れの街並みは なんだかいつも
悲しい顔をしている 微笑んでよ こっちまで悲しい気持ちになる

街路灯を 追い越して 君は 走っていく
そんなに急いだら 転ぶよって 言ったそばから君は見事に転んだ

ふれた手が 冷たくて でもあったかくて
やがてじんわりと熱を持って 火照った

またあしたねと 言い交わす頃合い
二人は 別れるのが寂しいのか
離せずにいたよ つないだ手を

やがて どうしようもなく
離れてく手と手が さよならを描くように左右に揺れた
僕はというと君の姿が見えなくなるまで手を振った

約束なんか いらない 僕らはあしたも
会えると知っているから 待ち合わせはいつもの場所

僕は名前で呼ばれるだけでうれしくなる
君は名前を呼ぶだけで うれしそうだ
そんなささやかな幸せが明日もあるように

夕闇に 包まれた街並み 混みあう道路
赤く染まった空が街並みを抱きしめてる

誰もが誰かに さよならをする時間
疲れはてた体を持ち上げて帰る
見上げた空は とてもきれいなのにね

切なさがにじんでくる 弱い僕はさらに弱くなる
言い知れない優しさに包まれたら あの曲がり角で泣こう
さっき別れた君を思い出しながら

ひとつずつ消えてく街の明かり
数えきれないほどの暮らしの数だけ
この街に 生きる人がいる
そんなありふれた営みが 明日も
間違いなく 続くように願う 気持ちには少しの嘘もない

またあしたねと 言い交わす頃合い
二人は 別れるのが寂しいのか
離せずにいたよ つないだ手を

やがて どうしようもなく
離れてく手と手が さよならを描くように左右に揺れた
僕はというと君の姿が見えなくなるまで手を振った。

2016/01/15 (Fri)
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