詩人:どるとる
意味もなく ただ笑ってみたり
なんでもないことに大袈裟に 泣いてみたり
それなりに忙しい日々を 生きている
ある日は落ち込んでみたり
ある日は 上機嫌になってみたり
心は天気ほどにめまぐるしい
机の引き出しの奥にしまったままの
伝えられない思いは涙に 濡れる
この街で一番 高いビルの屋上にのぼって
そこから見上げる空を 見たいんだ
なんとなくそんな気持ちになって
かけ上がった階段 頼りない一歩は
宛のない明日に 続いていた
つく必要ない嘘をついてみたり
果たせない約束を取りつけたり あげく嫌われたり
それなりに残念な日々を 生きている
好きでもない人とキスをしたり
その気のない 優しさを見せたり
色んなことがありすぎるエブリデイ
届かない空に 手を伸ばした きのう
それはいつだったか 少年の瞳に映った青
ぬるま湯みたいな 安らぎに浸って
幸せなふりを死ぬまでしていたいんだ
なんとなく そんな気持ちに落ち着いて
のぼりきった階段 ここからは下り坂
あとはただ 流れに身を委せるだけ
浮かんでは 消えるイメージにとらわれ
描けない 自分の理想の世界が
希望という 見え見えの嘘っぱちに
汚されてちんけになった
この街で一番 高いビルの屋上にのぼって
そこから見上げる空を 見たいんだ
なんとなくそんな気持ちになって
かけ上がった階段 頼りない一歩は
宛のない明日に 続いていた。