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[190675] 旅立つあなたへ

詩人:どるとる


リュックサックには夢を詰め込んで
旅立ちの日にあなたは笑顔を浮かべた

涙を流したっていいのになんだかしみったれるから
泣かないわってみえみえの強がりを言った

何度も発車時刻を時計をにらんで確かめる
そうこうしてるうちにあと少しだね

悲しいでもない だけどうれしいでもない

どっちつかずの思いを不安と一緒に抱えながら

期待できるほどまだ 見えないままの明日だけど

不安と一緒に鞄に詰め込んだものは小さな星屑程度の希望

発車のベルが鳴る 君に手を振る
だんだん遠ざかってもう 見えない

月に一度くらいは手紙か電話を寄越せ
なるべく声を聞かせて 生存確認みたいで

少しうざったいけど 本当はあまり嫌じゃない
今日旅立つあなたへ
この歌を歌おう 餞別がわりに

ページをめくるように景色が移り変わる
季節も もう春が目と鼻の先に近づいてる

最近、気づいたよ 離れたときの寂しさやら
あなたの存在の大きさ

大げさだねってあなたは電話越し笑うけど
本当は少し 泣きそうだったんだ

その声の向こうに あなたを描いたら
よく知ってる優しい顔になりました

声が聞きたい そんなときには何より
あなたの声が 負けそうな僕の支えになる

ありがとうだったり おはようやおやすみだったり
そんな 何気ない日常会話さえ離れてたら向き合ってはできないけれど
頑張ってねなんて 声をもらうと
どこからか力が わいてくるんだ
僕は一人じゃない
たくさんの人の支えのもと やっと生きてる

悲しいでもない だけどうれしいでもない

どっちつかずの思いを不安と一緒に抱えながら

期待できるほどまだ 見えないままの明日だけど

不安と一緒に鞄に詰め込んだものは小さな星屑程度の希望

発車のベルが鳴る 君に手を振る
だんだん遠ざかってもう 見えない

その向こうにはあなただけの明日がある。

2016/01/16 (Sat)
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