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[190677] PM

詩人:どるとる


手のひらに息を吹きかけながら
大切な人を待ちわびる真夜中には
白い雪が 降るだろう
予報どおり 積もるほどではなかったけど

降るような奇跡の ひとつを つかんだ
君は 運命という言葉を嫌うけど
この出会いだけは そんな匂いがするんだよ

零時過ぎの 真夜中の街は息を潜めたように

静まり返っている 寒い中 待たせてしまわないように

早く来たつもりなのに すれ違う二人

ドラマみたいに 抱きしめてねって笑うから

恥ずかしそうに 照れながら僕は走ってきた君を大きな体で受け止めた

ちょっと自信がなくなってしまうと
芋づる式に 落ち込んでいく性格で

全く仕方のない人ねって 笑われたけど
そんな僕を好きな君も同じ生き物だよ

手のひらをかざすと 冷たい雪が ふれたとたんにとけて消えた
時間と同じさ 一分一秒も儘ならない

時計なんて本当は捨ててしまいたいよ

時間になんて左右されないで君と会いたい

ふれた手の温もりもちょっとした仕種まで 愛らしい

なんでも大袈裟に考えるのは悪いくせ

日付が変わって まもなくして 雪が止んだアスファルトをうっすら白く染めただけ

こんなに楽しい時間は いつまでも続いてほしいなあ
でもいつまでも続くものなんてないなんてセンチだね

僕らは僕らの何に恋をしているんだろう
それさえ曖昧だけど ただ 気持ちのままにお互いを求めた

零時過ぎの 真夜中の街は息を潜めたように

静まり返っている 寒い中 待たせてしまわないように

早く来たつもりなのに すれ違う二人

ドラマみたいに 抱きしめてねって笑うから

恥ずかしそうに 照れながら僕は走ってきた君を大きな体で受け止めた。

2016/01/16 (Sat)
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