詩人:どるとる
目映いばかりの夜明けの空に
間に合うかな 自転車漕いで坂道をかけ上がる
夢からやっと覚めた僕は
まだ寝ぼけた頭のままで 新聞を逆さに読んだりしてる
顔を冷たい水で 洗って 自由に跳ね回った 寝癖を直したら
新しいドアを開けるよ
イメージで背中に描いた 翼で夜を飛び越えて 朝をこの手に抱きしめよう
こぼれる光を ひとつぶ残さず 拾い集めたら 知らない今日の はじまりはじまり
地図なんかなくてもたどり着けるさ
迷わずに行けるほどこの世界は 簡単じゃない
とりあえず 胃袋に炭水化物かっこんで
誰にもまだ教えてない構想を練っている
次の日曜日 二人で天体観測をするんだ
しし座流星群が 何十年ぶりかに 観られるらしいよ
空に描いた 二人の夢を ひたすら設計図どおりに 組み立てていく作業
時には 理想と現実とのギャップに苦しむ日もあるけど そんなのは想定の範囲
憧れたあの人を 追い越すことばかり
考えていた少年の僕は
手当たり次第に 自分の力を試した
それでも見えたものは あまり 上出来とは言えなかった
せいぜいが小さなプラモデル程度の 曖昧な結果だ
イメージで背中に描いた 翼で夜を飛び越えて 朝をこの手に抱きしめよう
こぼれる光を ひとつぶ残さず 拾い集めたら 知らない今日の はじまりはじまり
出会ったことのない未来の来訪のための犠牲
新しい世界のはじまりはじまり。