詩人:千波 一也
飛ぶ鳥の名前などは
どうでもいいことかも知れない
晴天をかもめ、
夕暮れには
からす
一応の名前で
呼んではみるけれど、
きっと何かが間違っている
かれらは一途に、
おそらく
方角という意味にはまよわずに
空をゆくもの、
黄金へ向かう鳥
傷口からにじむ流れは
錆びた鉄だと
ひとは、
云う
わたしたちに
金曜日のくだりは終わらない
まばゆいものには目をとじて、
あらがうことも
そむくことも
ゆるやかな
封印
存分に焦がれたてのひらだけに
鍵は光と去る、かも知れない
縛りつけるすべてを解き放つ、
そのすべはだれもが
その背に
きっと
黄金へ向かう鳥、
きれい、と
うつむい
て