詩人:IKUMI
あの頃の私達は幼過ぎた。
あの時程…
大人を嫌いになった事は
後にも先にもきっとない。
転校する3日前に告げた…
「転校する事になった。」
あいつは…
強い衝撃にあったかのような顔を
していた。
当たり前に喧嘩になった。
それが初めてあいつがキレて
私を殴った瞬間。
幼なじみは泣き、
あいつは怒り…
私は…泣けなかった。
離れたくなかった。
でも、どうしようもなかった。
遠距離なんてあの頃の私達には
無理だった。
毎日のように一緒にいて、
喜怒哀楽を共にしていたから…
あの夏の日…
私達は終わる事にした。
「俺のこと忘れていいからな?」
「そして、幸せになれよ。」
震えた声で言ったその言葉に
どうしようもなく孤独を感じた。
それと共に…
あいつの泣き声が聞こえた。
堪えられないなら…
そんな強がり言わないでよ。
そんな顔しないでよ。
見送りもなく…
幼なじみと友達に見送られ
私はあいつから、故郷から、
離れた…
今は…もういないあいつから。
私は距離で離れた。
あいつは…いなくなった。
あの泣き顔を思い出すと…
未だに思うんだ。
そんな顔しないでよ。と…