詩人:どるとる
紫色に 染まった空 待っていましたとばかりに
メトロの闇に 消えていく光
少しだけいつもとは勝手が違うの
誰もが切なさを抱いて 今の気持ちに似合う言葉を探してる
早送りする景色を 飛ばす 快速電車
連れていってどこか知らない街へ
ここではないどこかへ 心ごと連れ去って
きのう見た夢の続きの続きを
今夜 見よう きのうと変わらない
ありふれたときめきに 出会おう
変化の乏しい世界で 変化を求めるなら
生まれ変わるのは世界ではなく 心
移ろいゆく窓の外の風景に重なる記憶
いつか見ていた 空の色と同じ瞳
ここではないどこかで 今も続く物語
どっちつかずの思いを 手に
失ったものの数だけ 手にしたものの大切さだったり価値だったり
色褪せてもまた色づいていく 感情が歩き出す
早送りする景色を 飛ばす 快速電車
連れていってどこか知らない街へ
ここではないどこかへ 心ごと連れ去って
いつか 重ねた足跡が輝くその時まで
終わらない旅を この世界がさせてくれる。