詩人:さみだれ
時は残酷ね、と言う人
忘れてしまった恋を嘆いたり
二度と見られない夕焼けを探したり
百年生きたとして
同じくらい誰かが生きていればと
小さな団地の公園で
ため息まじりに呟いた
この苦しみがあと何十年も続くのかしら
君が今何を見ているか
僕にはちっともわからないよ
君が泣いていたって寄り添えないよ
天井に手を伸ばしても伝わらない
この心をずっと
時は残酷だ、と誰かが言う
声が届かない宇宙に向けて
思いの丈を答えにしたって
世界は形を変えないくせに
百年かけて届いた光はもう曲がりくねって
君にもわからないだろう
これが僕なんだと気づいちゃくれないだろう