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[92772] ゆきおんな

詩人:千波 一也


優しさの

定義の途中で

悲しい君を抱き締めた


何度も何度も

抱き締めた



 放熱温度は数千

 おそらく加護には不向きな温度


 僕は何もかもの途中だった



汗をにじませていたのは

快楽のつめたさ

いまなら、

わかる



気づかれないよう震える僕に

あの日の君が溶けてゆく



 どんなに

 真っ白な雪が降ったとしても

 あたらしいものとは思えない

 ふるいもの、とも

 呼べないだろう


 あれからながく

 いまから、

 ずっと



たたずむ木立はさながら炎


動き続けてゆく真冬に

どこまで吐息は痛むだろうか


2007/01/04 (Thu)
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