詩人:千波 一也
優しさの
定義の途中で
悲しい君を抱き締めた
何度も何度も
抱き締めた
放熱温度は数千
おそらく加護には不向きな温度
僕は何もかもの途中だった
汗をにじませていたのは
快楽のつめたさ
いまなら、
わかる
気づかれないよう震える僕に
あの日の君が溶けてゆく
どんなに
真っ白な雪が降ったとしても
あたらしいものとは思えない
ふるいもの、とも
呼べないだろう
あれからながく
いまから、
ずっと
たたずむ木立はさながら炎
動き続けてゆく真冬に
どこまで吐息は痛むだろうか
2007/01/04 (Thu)