詩人:どるとる
それは昨夜の出来事
時計がまだ 昨日だった世界の出来事
それは昨夜の出来事
彼女がまだ きれいだったときの出来事
窓から見下ろす裏路地に 犬の死骸
カーブミラーに映る恥態
微分積分多分尋常じゃない事態
彼女は彼女で 気を揉んでるもんで
畳に 寝転がり 亀甲縛りの真っ最中
彼氏は彼氏で 途方に暮れてるもんで
ひたすら神に祈って世界平和を願ってる
それは 異例の出来事
まだ 笑い話にできた頃の出来事
前代未聞の出来事
今日は 燃えるごみの日
予報通りなら 天気は午後から大荒れ
明日までの命 過ぎたあのカウントダウン
目覚ましがうるさい
夢うつつの出来事
得たいの知れない 感情にそそのかされ
僕は もう 僕ではない やい やい やい
彼女は彼女で 気を揉んでるもんで
畳に 寝転がり 亀甲縛りの真っ最中
彼氏は彼氏で 途方に暮れてるもんで
ひたすら神に祈って世界平和を願ってる
世界は崩壊への真っ最中
世界は破滅への真っ最中
僕は 昨夜の 出来事を反芻 反芻 反芻
時々反省 反省 反省
つまりは確かめ算の 真っ最中。