詩人:千波 一也
何かを誤ったがゆえ、
むかしの恋
目の前の誰かに
幸せの顔を見つけるとき、
それはそれは大した語り口ですが
幸せの顔を
みとめるとき、
ふと
きみを懐かしむのは
未練でしょうか
何かを誤ったがゆえ
むかしの恋
枯枝を転がす、陽
そこには真夏があるような
砂上を逃げる、かぜの円
そこから喉が
乾いてゆく
ような
欲しかったものと
欲しくないものとは
なんだかとても似ています
ただなんとなく
否めてはみるけれど
ふと
きみを懐かしむのは
未練でしょうか
目の前の誰かに
幸せの顔が灯るたび、
夕日はあかく
なおあかく
成り立つものに謝るさなか
その背はあすを迎える為にだけ
ただ、