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[190939] サイレン

詩人:どるとる


影あるものたちがこぞって集まる 真夜中の会合

誰も彼もが同じ顔で 笑う街に
どれひとつ愛せる色はなかった

この世界では 優しさなんか 多分嘘で
愛なんて口にしようものなら 唾を吐きかけられる

十分の一以下の 幸せを手にするためにみんな血眼

互いの温度を確かめあいながら駆け抜けるホームグラウンド

いつまでも 降りやまない 雨の中でもきこえる鼓動

いうなればそれは何かの信号 格好をつけるならサイレン

今日も 誰かがその音を頼りに 未来に歩いてる

喫茶店に憩う 珈琲いっぱいで粘る 土曜日の退屈

半分は惰性で 生きています あと半分は世のため人のために

遅れてきたヒーロー 利口な猿は鼻息を荒くして 世界に混沌が渦巻くのを待ってる

正義なんてそんなものがこの世界にあるなら

今ある悲しみもなかったのかなと一瞬イメージに侵される

慌てて とり戻した意識の中で僕は 悪魔に魂を売った

神様なんかいないから天に唾を吐いても僕は無罪のまま

こんなつまらない世界に生まれてきた
百年戦争の行方を 見守りながら
やがて来る 大きな波に身を引き締めた

十分の一以下の 幸せを手にするためにみんな血眼

互いの温度を確かめあいながら駆け抜けるホームグラウンド

いつまでも 降りやまない 雨の中でもきこえる鼓動

いうなればそれは何かの信号 格好をつけるならサイレン

生きていることを 確かにするために 鳴る生まれ持った証明。

2016/02/17 (Wed)
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