詩人:どるとる
ハローって 笑って
また今日も過ぎてく
スローモーションの景色がビル群に汚される
ガラス窓の向こうの街並み
まぶたの上を 歩くのはイメージとはかけ離れた世界
それでもいいと 君は笑った
いちぬけたって 走り出した 君は
僕より先に この幼稚な遊びに飽きた
気づいたのかい?
この遊びには得るものよりも失うものの方が大きいと
残り幾ばくもない命を 華やかに飾るように
高いビルの最上階を目指すなら
這いずってやるさ うごめいてやるさ
夢の中に 沈んでく心はもう うわのそら
もう二度と君を思い出すこともない
あの高台からの景色も今ではとうに
忘れた 忘れたふりをしてるだけだけど
イメージの寄せ集めで描いた新世界は
寧ろ 想像をはるかに越えた出来映え
それなのに君は血の通わないその世界を
愛することなくこの世を去ったのです
君を引きずったまま僕の不滅のはずのストーリーは 終わった
そして夜は無情にも 明けていく
いちぬけたって 走り出した 君は
僕より先に この幼稚な遊びに飽きた
気づいたのかい?
この遊びには得るものよりも失うものの方が大きいと
ふれることさえできない幻に ふれたつもりのこの僕から 君は目を反らした。