詩人:弘哉
中二病の典型みたいに
恥ずかしげもなく
好きなもの人間
嫌いなもの人間
と 言えてしまう
人が好きで好きで仕方なくて愛してやまず
愛されたくてたまらず叶わず憎らしい
不幸自慢は嫌いだと言いながら
過去や生い立ちを引きずっているのは自分自身だった
他人事には限りなく理知的になれるけど
本当は大した頭脳も思考も持ち合わせちゃいない
字面はいくらでも修飾できるけど
話すとき咄嗟には何も出てこない
所詮はちっぽけでしかないんだ
自己を求めるのは
思春期にありがちと言うけれど
幼いころからいつだって
自分の居場所を求めてきた気がする
自身の境遇を呪いながらも
悲劇の真ん中に立てることに喜びを感じてやいないか
本当の自分は
もっともっと汚い人間なんじゃないのか
渦巻く思考はいつだって俺を苦しめて
荒むほどに馬鹿らしくなる
いつも何かを批判して
周りのせいにして自己を保つ
たくさんの過ちを犯し
罪の数だけ色々なものを失ってきた
失って初めて気づいた景色
何気ない日常が美しく見えることに気づけたのは
すべてが消え去ったあとだった