詩人:剛田奇作
朝、早起きして
ジョギングをすることに決めた
ダイエットとかじゃないけど
なにか始めたら
曖昧な日常を、変えられる気がしたから
アイツが、俺も一緒に走ってやろうか?って
言ってくれたけど
朝の、すっぴんで
むくんだ顔なんて
見せれるわけないし、断った
その日は土曜日だったから
8時ころ家をでた
すごく寒かった
何だか 真面目に走るのもバカバカしくて
音楽を聴きながら、ぼんやり歩いてた
そうしたら、
アイツが女の人と手を繋いで
この街に一つしかないラブホテルの
細い路地からでてくるのを見てしまった
ナイキのライトグリーンのパーカー
女はアイツのブラウンのダウンジャケットを着てる
残念ながら、見間違いでは、ないみたいだった
あたしの馬鹿、なんで隠れたりしたの?
このまま普通に追い越して行って
おはよう、その人彼女なんだ?っていう権利くらいあたしにもあるはずなのに
でも、もう、どうでもいい
あたし達だってちゃんと付き合ってたわけじゃないし
そんなこと
もうどうだっていい
あたしは、好きな男が女と居る時に
すっぴんで
ジョギングなんかして
ださいジャージ姿で
iPodで音楽なんか聴いちゃってる
マヌケな女
超
マヌケな女