詩人:ナナエ
大好きなものを
集めて丸めてまとめたら
全然気に入らなくて
大嫌いなものになった
見たくない触りたくない
だから丈夫な箱に入れて
蓋をして鍵をかけて
ずっとずっと深い穴の底に落とした
ある時急に会いたくなって
穴の様子を見に行くと
ずっとずっと深い穴の底に
落ちた時と同じ姿の
丈夫な箱が見えた
だけど
私が穴に落ちなければ届かない
ねぇ
現在を置いて
あなたのもとへ行ってもいい?
その時ふと蘇る
見たくない触りたくない
あの感覚
それから
ぶわっと溢れてくる
こうかい
おそれ
逃げ出す勇気と
未来への決意