詩人:どるとる
手をつなぐ人がいる
喧嘩する人がいる
ただそれだけで きっと この上なく幸せなんだろう
愛しあってみたり 時には裏切り裏切られて
簡単に人を好きになって
簡単に人を嫌いになって
そんなふうに 僕らの毎日は ただ過ぎてく
広がった この夜の街の向こうがわに
大きな川をはさんで建ち並ぶ家々に
灯る光の数だけ 幸せがあるのかなあ
なんてことを 思っては冷えた心を あたためるんだ
思ってくれる気持ちと
思う気持ちが 交わって
その延長線の向こうにもまた誰かの気持ちがある
他の国では戦争があったり 飢餓に苦しむ今があるのに
それに比べたら どうだろう
僕らの暮らす毎日は幸せだろう
恵まれすぎているくらいだろう
ちょっとだけ遠くまで心だけ旅に出す
名前も知らないような国の人が
今この瞬間を必死になって生きている
ただそれだけの毎日を 僕らはいくらでも
結んでは繋いで 絶え間なく今日を迎えては見送るその繰り返し
なんとなく イメージできたよ
ひとつひとつの思いはちっぽけです
でもね 目には見えないモールスみたいだ
トンツー トンツー
聞こえますか?この胸の中で 一生懸命に命が 脈打つ音が
そうですそれが 生きているというあかしになる
広がった この夜の街の向こうがわに
大きな川をはさんで建ち並ぶ家々に
灯る光の数だけ 幸せがあるのかなあ
なんてことを 思っては冷えた心を あたためるんだ
心に足りない涙と血 行き渡らせるんだ
そして僕はその時はじめて君に優しく笑いかけるんだ。