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[190978] ある死刑囚の手記

詩人:どるとる


どうしようもない出来事があっても
幼いときなら 笑い飛ばせただろう

なにがしかの理由で僕はこわれて
命を奪って未来まで奪った

最後に手紙を残すとしたら
どんな 言葉を遺族に残すだろう

謝罪も贖罪も 多分今さら 遅くて

ただ言葉は雨のようにすり抜けるだけ

ならば せめて 真っ白な心に綴るのは

もういない君と僕の冥福を望むこと

たとえば僕が 悪なら大多数は正義で
責められるのは仕方ないと思うよ

どうでもいいようなことばかりが
取り沙汰される世の中で

愛なんて 多分きれいごとなんだろう
でも、流れた涙には悪気はないのさ

恐いのかなあ 悲しいのかなあ
どんな気持ちであなたはいるのか

死刑は 必要か否かなんて今さら遅くて

与えられる罰は 罪に対しての結果で

犯した罪が重いほどまた 罰も重くて

そこに 差別はなく「判決」が下るだけ

なぜ人を あやめるのかなんて
今さら多分遅くて

大多数のあなたが 思うことも
わからないままだ

「罪を犯す理由があれば」
僕もまた 同じ気持ちになってしまうのか

そう思いながら 傍目から見てる

謝罪も贖罪も 多分今さら 遅くて

ただ言葉は雨のようにすり抜けるだけ

ならば せめて 真っ白な心に綴るのは

もういない君と僕の冥福を望むこと

僕のような 人間がこれ以上
増えないように 願うこと。

2016/02/22 (Mon)
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