詩人:どるとる
通り過ぎていく窓の外の景色を
移り変わる季節の色なんかを
ぼんやりと眺めてる途中で
見失った 幸せの在処や 命の意味
日は暮れて オレンジ色に染まる空が
離したくない誰かの手と手を切り離す
残されたようになった僕の影だけが
誰もいない 道に何かを探してる
悲しみの数を数えても
ため息が多くなるだけ
ならば 少ないけど
幸せの数を数えてみよう
片手の指で 事足りるほど
幸せは 多くはないけど
悲しみの数を数えるよりも
きっと僕に大切な何かを 気づかせてくれる
やたら齷齪してる毎日の中で
真面目な顔で考えることといえば
エッチなことかお金のことくらいで
それ以外は 後回しにしている傾向にある
何ひとつ 誇れるものなどないが
傷ひとつない命が ここにはある
ふいに僕は命をギュッと 抱き締めるイメージを浮かべた
他人のことなんかより自分のことのほうが
よっぽど大事で でも見て見ぬふりはできなくて
結局、誰かを 気遣う僕がいる
差しのべた手が たとえ要らぬ親切でも
僕は 同じように見捨てることはできない
だって僕は血の通う人だから
人を愛しもするし
憎みもする
同じ強い気持ちなら
僕は誰かを心から愛したい
憎しみが 消えてしまうくらい
出会ったすべての人をつなぐ
縁(えにし)の 糸で僕も 君も 見えないところで結ばれているから
悲しみの数を数えても
ため息が多くなるだけ
ならば 少ないけど
幸せの数を数えてみよう
片手の指で 事足りるほど
幸せは 多くはないけど
悲しみの数を数えるよりも
きっと僕に大切な何かを 気づかせてくれる。