詩人:どるとる
いつも出会うのは なぜなんだろうなあ
家が近いから たまたま空いてるから
そんな理由を いくつも挙げながら
洗濯が終わるのを待つ君を見ているよ
錆びた赤い自転車 あくびばかりしてる猫
昼日中の ぼんやりとした 浮わついた時間
君の名前はなんですか?
気になってしまうのは
あまりに君が 僕の理想にぴったりだから
髪をかきあげるときのしぐさに また僕は性懲りもなく 君に惹かれてる
500円を入れて 乾燥機にかける
ぐるりと回り出す ドラムロール
家から近いわけでもないコインランドリー
なぜか来てしまうのは君に会いたいから
数十分程度の 静寂 雑誌を読む君
後ろからそれとなく眺めている
飲みたくもない 缶珈琲を 飲みながら
落ち着きを取り戻そうとする
それでもそわそわするざわめく胸
春がなんだか夏に 追い越されたような陽気 言葉もなく佇む男女
同じ目的のために
なんて言ったら大げさだけど
今僕らは同じ時間の中にいるんだ
小さな部屋の中で 君は相変わらず
雑誌を読んで 僕は寝たふりをしながら
たまに君を見る
君の名前はなんですか?
気になってしまうのは
あまりに君が 僕の理想にぴったりだから
髪をかきあげるときのしぐさに また僕は性懲りもなく 君に惹かれてる。