詩人:どるとる
結ばれた 手と手に重ねてしまうのは
僕に足に止まる 二匹の蝶々
多分 一緒にいるだけで過ぎてしまう
無駄に費やされる時間
「愛してる」の言葉もまるで嘘のようだ
つないだ手から伝わるものは
きっと ぬくもりだけじゃなく
知らずに抱いた 不安も欺瞞も
同じように伝えてしまうんだ
だから 隠さずに傷痕を見せてよ笑わないから
手をつなぐことの意味を
愛というきれいな言葉でごまかさずに
醜さまでも さらけ出せる 僕らでいよう
約束だ
愛はきっと 都合の悪いすべてを
隠してしまえる都合のいいついたてで
見たくないすべてから目を反らすための言い訳なんだろう
「愛してる」といえば憎しみも愛になる
そうやってごまかしたたくさんの色々を
片付ける暇もないまま また夜は明ける
引き出しの奥にしまったままの思い出も
思い出と名付ければきれいに 飾られる
目を凝らす必要のない愛なんて要らない
手をつなぐためだけに費やした時間を
今一度まぶたを閉じて思い出してみる
僕らはお互いに愛することを 楽しんでいたはずだろう
似合わない 下手くそな強がりで
見送った 背中はもう二度と帰らない
失うことが 恐いのなら 目の前にある
大切な人を 大切だと 思う気持ちを 言葉にするんだ
つないだ手から伝わるものは
きっと ぬくもりだけじゃなく
知らずに抱いた 不安も欺瞞も
同じように伝えてしまうんだ
だから 隠さずに傷痕を見せてよ笑わないから
手をつなぐことの意味を
愛というきれいな言葉でごまかさずに
醜さまでも さらけ出せる 僕らでいよう
約束だ。