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[191153] 空の飛びかた

詩人:どるとる


陳腐な言葉に すがりついて
いつの間にか 笑い飛ばしていた
ただ過ぎるだけに終始してる時間をもて余した

胃カメラのように伸縮自在の
自由なはずの思いは宛もなく 迷子になって
光と影の間を行き交う

あわよくば指先の止まり木においで 世界中にある
ありとあらゆる 奇跡の類いよ
僕に もう一度、幸いの再来を

一触即発の 大激闘
刃を合わせつばぜり合い 火花散る

夜明けに間に合うかなあ
急げば間に合うかなあ
たたんだ翼を 広げ思い出していた
忘れてしまった空の飛びかた

小説の前書きほど邪魔なものはない
早いとこ本文に進んで欲しいのに
くだらない作者の構想数年云々が 長々と続く

時計の秒針に ゆだねる思い
絶えず 仕事する その働きに
敬意をはらいたいよ
一周一分 高くない仕事

願わくば 甘さ控えめの 紅茶がお好みさ
だけどスパイスも欲しいところ
僕らのわがままは 行き着く先を知らず
右往左往する 道程

画面を飛び出す3D
それ以上のハイクオリティ 時代を先駆け

太陽を鷲掴みできるかなあ
高い壁飛び越えられるかな
土砂降り傘を放り投げて 歌う
言葉の雨が 隙間だらけの心に降る

僕は 少しずつ次第に 何かを知る
余白も 埋まってく
そのぶん余計なことも知る

だけど昨日よりはきっといくらかマシさ
今なら 下手くそだって 飛べるんだ

夜明けに間に合うかなあ
急げば間に合うかなあ
たたんだ翼を 広げ思い出していた
忘れてしまった空の飛びかた。

2016/03/19 (Sat)
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