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詩人:右色
僕にとって会話は彫刻みたいなものでね
巨大なカタマリである感情から
自分と他人が理解出来るよう
理解できない箇所や
理解したくない箇所を削り取る
一見して
それが何であるのか分かる程度には
削らなくちゃいけない
それはとても面倒な作業だし
ともすれば
形を成す前に時間が無くなることだってある
だから大体みんな代替して
芸術家のような煩雑な工程を省略する
市販の会話は
ともかく手軽で分かりやすい
それこそ
会話のキャッチボールなんて言われるくらいの手軽さで
他人とやり取りが出来る
でも僕は
どんな会話でもそれ自体にカタチを持たせたいし
その延長として
意味だって付けてみたい
そして
その出会い一つ
会話一つにそれぞれ
名前を付けてやる
そうすれば
きっと
記億とは違う形で
残せると思う
その時
その瞬間を