詩人:どるとる
曖昧だった世界の縮尺は
いつかうやむやになって
流れ星の軌道に乗って
振り子運動みたいに 絶えず繰り返すループの上を歩く
どこにも行かないで と握りしめた
手の温度だけで 悲しみなんか 飛び越えて
また 朝にたどり着ける
夜明けの街に 落ちた目映いばかりの光
まるで それは 卵を割り落とすような
かき混ぜて マーブル模様 ほらもう
何が正しいのかさえわからなくなったよ
だから、最初からやり直しだ今日も
延長線上に 浮かぶ仮説
筋道を立ててさあ計算しよう
口笛の矛先へと消えるくらいなら
ありふれた毎日の何気ない風景を染める色になりたい
モルタルの廊下と埃舞う教室の 対比
給水タンクと 校庭のデイドリーム
手と手を 合わせ祈るなら ひび割れた
隙間から光を射して隠れた朝を呼ぶよ
踏み込むアクセルは景色に線を走らせて
今までの概念を軽く笑い飛ばすほどだ
最初から中身の知れた卵に過ぎない
黄身と白身を より分けて
正しさと間違いを分別するように
差別したなら 黒と白でもない
黄色い僕らは 行き場なんかない
世界から のけ者にされたまま
いつまでも 羨ましそうに 殻の外からイメージで眺めてる
夜明けの街に 落ちた目映いばかりの光
まるで それは 卵を割り落とすような
かき混ぜて マーブル模様 ほらもう
何が正しいのかさえわからなくなったよ
だから、最初からやり直しだ今日も
開ける前から同じ朝でも 目覚めるたびに昨日より少しだけ新しい世界
まっさらなシャツに腕を通す気持ち。