詩人:甘味亭 真朱麻呂
あぁ
私は孤独に魅入られた女
あぁ
夢を探し 愛を求め
孤独を背負ってまでも貴方を欲した
あぁ
愛とはいつからこんなにも無機質になったのか
あぁ
揺さぶれる想い
確かなのはもう何もない
何ひとつ私には無い
ただそこには涙のあとがぽつりと悲しく残っているだけ
あぁ
名もない旅人よ
私のこの腹に身ごもった赤子は貴女の子
雨に濡れ 風に吹かれ
貴方をどれほど待ち望んだことか
目は見えないけれど
この胸には確かに映っているの
差し出した手の温もりは本物
握ったこの温かさは間違えないわ
愛は盲目 私は盲人
私の目には何も映らない
だけれど貴方の温もりだけは感じ取れるみたい
ほら また
貴方のその温かな手が私を抱きしめているわ
私を欲してくれている貴方の手が私を女にしてくれるの。