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[191257] はつ恋

詩人:どるとる


どれだけ歩いても 足りやしない
泣いても 笑ってもあっという間に過ぎる
時間の中で 愛は育まれた

いつもの歩道橋から 別れて手を振るとき
君の 笑顔を一番近くに感じてた

僕だけが君の笑顔をひとりじめたくて
抱きしめてみたけれど
あまりに君は 大きくて 僕の腕じゃ抱えきれなかった

風を 服のように まとってみる
今日明日と数えて たどり着いた
春の日の 陽射しに包まれた

君の背中ばかり 見ていたよ
手もろくにつなげない恋だった

気づかぬふりしてポケットに
しまった思いは恋の色をしていたよ
夕暮れに溶けたあなたの その笑顔に 僕は心を 奪われた

気づいてたよ でも気づくのが怖かった
恋だと気づいてしまえば 後戻りできない気がして
抱えてしまった 思いに嘘をついて 通り過ぎた青春

あれから何度目の春が過ぎたかな
桜も 咲いてやがて散って
ひらひらと 舞うように降る小路にもう夏が揺れていた。

2016/03/30 (Wed)
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